関連するSDGs目標
SDGs見学会
2022年9月22日
本見学会の概要
ふじのくに茶の都ミュージアム(島田市)で茶草場農法(注1)についての知識を学んだ後、実際に周辺に広がる茶草場(掛川市)を見学した。また、地元の有志達が復活させた棚田(注2)(菊川市)を見学して日本の美しい原風景に触れた。
見学先1:茶の都ミュージアム(島田市)
ふじのくに茶の都ミュージアムでは、茶の歴史等の説明を受け、普段あまり目にすることがない茶に関する展示物を見学した。また、茶草場農法の展示コーナーでは、実物大の干し草にふれ、実際の作業方法を学んだ。豊富な展示物と情報から茶に関する知識を深めることができた。
ミュージアム内の茶草場農法展示コーナー
見学先2:粟ヶ岳世界農業遺産茶草場テラス(掛川市)
粟ヶ岳の斜面の大きな「茶」の文字は、東海道新幹線や東名高速道路を走る車窓や空港からも見えるためランドマークになっている。この粟ヶ岳頂上から伝統的な茶草場農法が培ってきた広大な茶園を眺望した。
茶草場農法の茶園(手前のススキやササが茶草場)
粟ヶ岳の茶文字
粟ヶ岳頂上茶草場テラスから
見学先3:せんがまち(千框)の棚田(菊川市)
地元の有志達がいかに棚田を復活させたかについて、「せんがまち棚田倶楽部」の堀事務局長から説明を受けた。棚田の周辺には美しい日本の原風景が残っている。また周辺には茶草場もあり伝統的な農法で茶が生産されていて、棚田の歴史と茶草場が織りなす美しい景観を見ることができた。棚田周辺を散策して、以前は見かけなかった「ツリガネニンジン」を見つけた。また、見学会では見ることはできなかったが、静岡県で絶滅危惧種として登録されているアカガエルも生息しているとのことだった。棚田の復活で様々な生物が戻ってきたことを実感した。
せんがまちの棚田
まとめ
本見学会では、伝統的な農法である「茶草場農法」と「棚田」を見学した。
このような農法は、日本から失われつつあった里山の草地の環境や生物多様性の保全に繋がっているが、現代社会では課題も多いことわかった。参加者の感想でも、経済発展と自然保護を両立し永続できるような開発と「自然を守る」だけではなく「自然と共生」することの必要性が述べられていた。持続可能な社会は人々の繋がりがあって成り立つことを、この見学会で学ぶことができた。またSDGsの理解のためには、机上の情報で学ぶだけでなく、実際にフィールドに出て体験することの重要性を認識した。参加者の今後のSDGs活動の一助になるだろう。
(注1)茶草場農法について
茶草場農法とは、茶園の畝間にススキやササを主とする刈敷きを行う伝統的農法のことである。
この茶草によって、茶の味や香りが良くなると言われている。
秋から冬に掛けて、茶園の周辺にある「茶草場」の草を刈って茶園の畝間に敷く作業が行われる。
夏にはただの草むらにしか見えない茶草場だが、秋になるときれいに草は刈られ、刈られた草が束ねられて干してある風景を見ることができる。高品質な茶の生産のみならず、豊かな生物多様性の保全にも繋がっている。 このように、農業と生物多様性が同じ方向を向いて両立していることが世界から高く評価され、2013年に世界農業遺産に認定された。
(注2)せんがまちの棚田について
上倉沢の棚田は約400年前から開田が始まった。地元では昔から、千枚の田んぼという意味から「千框 = せんがまち」と呼ばれている。しかし、昭和50年代からその数は激減してしまったため、日本の原風景棚田を守り、先人の苦労を肌で感じ、子ども達に伝えていこうと、平成6年に地元有志の方たちが「千枚田を考える会」(現? NPO法人「せんがまち棚田倶楽部」)を設立して棚田を復活させ保全活動をしている。平成11年には県の「棚田等十選」に認定された。棚田オーナーの制度に取り組んでおり、地域と次世代の子どもたちと密接に関わっている。
このような農法は、日本から失われつつあった里山の草地の環境や生物多様性の保全に繋がっているが、現代社会では課題も多いことわかった。参加者の感想でも、経済発展と自然保護を両立し永続できるような開発と「自然を守る」だけではなく「自然と共生」することの必要性が述べられていた。持続可能な社会は人々の繋がりがあって成り立つことを、この見学会で学ぶことができた。またSDGsの理解のためには、机上の情報で学ぶだけでなく、実際にフィールドに出て体験することの重要性を認識した。参加者の今後のSDGs活動の一助になるだろう。
(注1)茶草場農法について
茶草場農法とは、茶園の畝間にススキやササを主とする刈敷きを行う伝統的農法のことである。
この茶草によって、茶の味や香りが良くなると言われている。
秋から冬に掛けて、茶園の周辺にある「茶草場」の草を刈って茶園の畝間に敷く作業が行われる。
夏にはただの草むらにしか見えない茶草場だが、秋になるときれいに草は刈られ、刈られた草が束ねられて干してある風景を見ることができる。高品質な茶の生産のみならず、豊かな生物多様性の保全にも繋がっている。 このように、農業と生物多様性が同じ方向を向いて両立していることが世界から高く評価され、2013年に世界農業遺産に認定された。
(注2)せんがまちの棚田について
上倉沢の棚田は約400年前から開田が始まった。地元では昔から、千枚の田んぼという意味から「千框 = せんがまち」と呼ばれている。しかし、昭和50年代からその数は激減してしまったため、日本の原風景棚田を守り、先人の苦労を肌で感じ、子ども達に伝えていこうと、平成6年に地元有志の方たちが「千枚田を考える会」(現? NPO法人「せんがまち棚田倶楽部」)を設立して棚田を復活させ保全活動をしている。平成11年には県の「棚田等十選」に認定された。棚田オーナーの制度に取り組んでおり、地域と次世代の子どもたちと密接に関わっている。